【Dr.河合の包茎コラム第12回】包茎手術の失敗事例と医師からのアドバイス
- 【記事執筆】
河合 成海
アトムクリニック院長
包茎治療実績15,000件以上。包茎で悩む男性に役立つコラムをお届けします。
包茎手術の失敗事例とその原因
多くのトラブルは料金問題だと考えています。包茎手術には保険診療と美容診療が混同されていて、病気を治すのか、整容的に手術を行うのかによって、仕上がりや値段は全く異なります。その認識の差を説明されていないことがトラブルの一番の原因と考えています。
保険診療で病気(絞扼)を治す包茎手術では見た目を重視しているわけでは無いので不格好な仕上がりになることも少なく無いと思います。
技術的な仕上がりのトラブルはごくわずか
失敗というのは術前より術後の状態が悪化した場合を指しますが、可逆的な状態(回復手段がある)と不可逆的な状態(状態を改善する方法が無いか難しい)があります。
可逆的な状態としては、術後の出血や一時的な浮腫み、血腫形成、軽度デザイン不良、敏感さ、感覚の慣れなど。
不可逆的な状態としては、デザイン不良による包皮の過剰切除、亀頭損傷、深い神経損傷などあると思います。以下にはその重篤な場合を想定して例を挙げます
事例①「包皮の過剰切除」
包皮を過剰切除してしまうことにより、勃起時のつっぱり、痛みが生じます
「包皮の過剰切除」が起こる原因
デザイン不良が主な原因と考えられます。余剰の包皮量は個人差があり、さらに痩せている、太っている、また、寒い時や暑い時、立位座位などの体勢、診察時、手術時、勃起時と陰茎の埋没や露出の度合いはかなり変化します。
どのような状態でも同じ適切な切除量を決定しなければ手術の仕上がりは不安定です。
最悪の場合包皮の過剰切除を起こすことがあると考えます。
軽いつっぱり程度は通常の手術成功例でも起こり得ます、慣れと多少の皮膚進展により改善するのですが、極端に切り過ぎてしまったような場合は、皮弁や植皮術など含めた手術治療が必要になることがあります。
事例②「亀頭損傷、深部神経損傷」
ある程度症例を重ねている医師であれば神経損傷をきたすことは非常に稀なことと思われます。一部海外では意図的に神経を遮断し早漏治療として行なっている例もあるようですが患者さんへの侵襲はかなり強いと考えます。
亀頭損傷は手術操作中、包皮を切除しているつもりが裏に隠れた亀頭を損傷してしまうというものです。亀頭は血流も豊富で傷は治りやすいですが欠損といった広範囲の損傷は傷を残してしまう可能性があります。増大治療におけるフィラー治療で稀に亀頭欠損をきたす例もリスクとしては挙げられます。
両合併症共に手術操作を丁寧に行うことで避けることができる合併症です。クリニックにもよると思いますが頻度としては1%に満たないと考えられます。
他、尿道を傷つけることによる排尿障害、(正常でも手術後1~2週間は浮腫みによる軽い排尿障害などは生じます)、勃起障害(勃起神経を傷つけることはほぼ無いので、ほとんどは包皮を使ったマスターベーションができなくなったこと、膣内射精障害やEDの合併と考えます)
医師からのアドバイス ~包茎手術で失敗しないために~
経験豊富な施術医師が丁寧に手術を行うことが、合併症のリスクを下げます。
患者様が注意すべきことは、施術医師から手術内容、合併症、リスクの説明をしっかり受け納得して受けていただく事だと思います。症例写真など見せてもらうことや、シミュレーションでどのような術後の状態になるか説明を受け、ご自身で想像することもトラブル回避の方法になると思います。
河合成海
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