【医師監修】包茎の種類は3タイプ。タイプ別の原因とリスク、治し方
- 【記事監修】
梶 昇吾
かじクリニック熊本 院長
日本美容外科学会 会員
日本医学脱毛学会 会員
平成7年 三重大学医学部卒業。平成9年 名古屋大学医学部附属病院 形成外科に入局。その後、大手美容外科クリニックの院長、大阪梅田中央クリニックの院長(中央クリニックグループ 技術指導医)を歴任し、令和元年 かじクリニック熊本を開設。
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包茎とは、包皮が亀頭を覆っている状態をいいますが、以下3つの種類があります。
- 仮性包茎
- 真性包茎
- 嵌頓包茎(カントン包茎)
それぞれの種類によってリスクやデメリット、治療法は異なります。まずは自分がどのタイプの包茎なのかを知、正しい治療法を理解しましょう。
包茎の種類は3つ
冒頭で紹介した3つの種類について、それぞれの「原因」「問題点」「治療方法」を詳しく説明します。
仮性包茎
仮性包茎とは、勃起時・通常時ともに亀頭全体、または亀頭の一部が包皮に覆われているが、自分で包皮を剥くことが出来る状態です。包茎の症状としては最も多く、包茎男性の約9割が仮性包茎です。
仮性包茎とひとくくりにされますが、仮性包茎の中でも症状の重いもの、軽いものがあります。勃起時に亀頭のほぼ全てが露出される状態もあります。
仮性包茎は皮を剥いて洗うことも出来るので、衛生面や健康面で深刻な問題を引き起こすケースは少なく、必ずしも手術が必要なわけではありません。
しかし、見た目の悪さ、早漏や臭いといった事を解消したいという理由で手術を受ける方も多いです。
原因
余剰包皮がペニスよりも長い、いわゆる皮あまりが原因です。
または、亀頭が十分に成長していない先細りペニスが原因の場合もあります。亀頭のカリの大きさが十分あれば、余った包皮が亀頭に被ることを防ぐストッパーの役割を果たしてくれますが、先細りのペニスはストッパーの役割を果たさないために皮が被ってしまいます。
包茎の原因が先細りであり、包皮の余りがそこまで多くない場合、亀頭にヒアルロン酸を注入する亀頭増大治療を行うことで、余った皮を切らずに包茎が改善出来ることがあります。
リスクとデメリット
日常生活に大きな支障をきたすことはないため必ずしも治療が必要なわけではありませんが、以下のような問題点があります。
- 見た目のコンプレックス
- 早漏の原因
- 悪臭の原因
温泉やゴルフの後のお風呂など、裸の付き合いをする時に、包茎の見た目をコンプレックスに感じる男性は少なくありません。
また、性感帯である亀頭が刺激に慣れておらず過敏性早漏の原因となる場合があります。剥けているペニス(露茎)は日常生活の中で擦れなどの刺激によって鍛えられていますが、仮性包茎は刺激になれていません。そのため、わずかな刺激で射精中枢が反応し、意思に反して射精してしまうというものです。過敏性早漏は別名「包茎性早漏」とも言われています。
悪臭の原因は恥垢です。毎日入浴時に石鹸で洗うようにし、女性とのセックスの前には石鹸でよく洗い、臭わないようにしましょう。
治療方法
仮性包茎の治し方には以下の3つの方法があります。
- 自分で剥き癖をつける
- 切る包茎手術
- 切らない包茎手術
それぞれの方法について説明します。
自分で剥き癖をつける
入浴時やトイレで排尿をする時などに包皮を剥き、出来るだけ亀頭を露出させた状態で生活をする方法です。
ただし、この方法で改善が期待できるのは、普段から亀頭が半分くらい露出しているような軽度の仮性包茎のみです。
詳しくは以下のリンクをご覧ください。
【医師監修】絆創膏1枚で今日から出来る!自分で矯正出来る包茎の治し方
切る包茎手術
余剰包皮をメスで切除し、皮余りを解消する方法です。包茎の改善方法として最も確実な方法です。
ただし、仮性包茎は保険適用されないため、病院の泌尿器科では治療を受けられません。そのため美容医療クリニックで手術を受ける必要があります。
美容医療クリニックでの包茎手術は全額自己負担となります。手術費用はクリニックにより異なり、安い術式で5万円程度、手術跡が目立たない術式で20万円~30万円程度の費用がかかります。
また、手術後は患部の状態が回復するまで1ヶ月程度の期間が必要になります。
切らない包茎手術
切る術式と違い、メスを一切使わない包茎手術です。方法としては以下の3つがあります。
- ナチュラルピーリング法
- 亀頭増大術
- 長茎術
ナチュラルピーリング法とは、包皮を剥いて亀頭を露出した状態で、美容治療用の糸を使ってペニスの根本で固定する方法です。費用が安く手術跡も残りませんが、軽度の仮性包茎でなければ効果は期待できません。
亀頭増大術は、亀頭にヒアルロン酸を注入して大きくし、亀頭に被ろうとする余剰包皮を止めるストッパーとする方法です。同時に逞しいペニスが手に入るというメリットがある反面、ヒアルロン酸は高価なため手術費用が高額になり、また確実に包茎が治る方法ではありません。
最後に長茎術ですが、体内に埋没したペニスを引っ張り出して陰茎を長くし、包皮の余剰を解消する方法です。長くなる分よりも余剰包皮の方が長い場合は改善が見込めません。また、長くなるのはあくまでも通常時の陰茎の長さであり、勃起時の陰茎が長くなるわけではありません。
切らない手術について詳しくは以下のリンク先をご覧ください。
真性包茎
真性包茎とは、通常時、勃起時ともに亀頭が包皮に完全に覆われており、自分でも剥くことが出来ない状態です。
包皮が亀頭に癒着していることもあり、無理やり剥こうとすると傷がついて出血することがあります。また、傷口から雑菌が入ることもあるので、決して無理に剥いてはいけません。
真性包茎は衛生面での問題が大きく、場合によっては陰茎癌や性病を発症するリスクがあるため、手術などによる治療は避けられません。また、子作りの面において、射精をする時に皮が邪魔をしてしまい十分な量が子宮に届かず、男性不妊の原因となることもあります。
原因
真性包茎は二つの原因が考えられます。まず一つ目が、包皮の出口(包皮輪)が狭い「包皮輪狭窄(ほうひりんきょうさく)」という状態のため、包皮を剥くことが出来ない。もう一つが、包皮と亀頭が癒着していて剥くことが出来ない、剥こうとすると痛みが生じるというものです。
包皮と亀頭の癒着ですが、通常は10代の間に自然と剝がれますが、自然に剝がれないと真性包茎となってしまいます。
リスクとデメリット
真性包茎のデメリットですが、まずは衛生面での問題が挙げられます。
仮性包茎であれば入浴時に自分で剥いて洗うことが出来ますが、真性包茎は剥くことが出来ないため、包皮の内部には恥垢や精液といったカスが溜まります。さらに、包皮の中は乾燥しないため雑菌が繁殖しやすく、悪臭の原因にもなります。また、もっと深刻な症状として、陰茎癌や性病を発症する可能性もあります。
さらに、健康面でのリスクは男性側だけの問題にとどまりません。HPV(ヒトパピローマウイルス)や性病に感染している包茎男性が女性とセックスをすることで、女性が子宮頸がんになったり、性病に感染することもあります。
また、前述したように十分な量の精子を子宮に届けることが出来ないため男性不妊の原因となることもあります。包茎そのものを嫌う女性は少ないですが、包茎による悪臭や不衛生を嫌がる女性は多いです。
風俗店でも真性包茎はNG客にされたり、コンドームを付けないとサービスが受けられないといったこともあります。
治し方
真性包茎を治す方法には以下の3つがあります。
- 包茎手術
- 器具を使った矯正
- ステロイド軟こうを使った方法
それぞれの方法について説明します。
包茎手術
最も確実で一般的な方法です。包茎手術とはどのようなものか一言で説明すると、余剰包皮をメスで切除する外科治療です。
包茎とは、ペニスの長さに対して包皮の余剰が多い状態です。よって、余剰分の包皮を取り除いてあげれば確実に治すことができるのです。
仮性包茎には保険が適用されませんが、真性包茎は保険が適用されます。病院の泌尿器科で3割負担で手術を受けることができます。費用は4万円前後です。
器具を使った矯正
包皮輪(包皮口)に器具を入れ、亀頭が露出する大きさまで広げる方法です。真性包茎だけでなく、カントン(嵌頓)包茎の改善にも効果が期待できます。
有名な器具としてはツルマキという会社が販売している「キトー君」があります。下はキトー君の画像です。
仕組みですが、キトー君の先端を包皮の先の穴(包皮輪)に入れ、グリップを握ります。すると包皮輪の穴を広げるように先端が広がります。
そうすることにより包皮輪を広げ、亀頭が露出するのに十分な広さを確保出来るようになるという仕組みです。
ただし、キトー君はあくまでも包皮を剥けるようにし、真性包茎を仮性包茎にする器具です。キトー君を使ったからと言って包茎そのものが治るわけではなく、剥けるようになるものの皮は被ったままです。包茎自体を治療したいのであれば手術を受けるしかありません。
ステロイド軟こうを使った方法
ステロイドとは皮膚の炎症を抑える薬として、塗り薬等の薬に配合されています。ステロイドには皮膚萎縮(皮膚が薄くなる)副作用がありますが、これを利用して包茎治療に使われています。
使い方ですが、狭くなっている亀頭の出口(包皮輪)に朝晩2回ステロイド軟膏を塗り、一定期間(2週間以上)かけて徐々に剥いていくという方法です。
しかしこの方法は子供にしか効果がないと言われており、大人には効果がないと言われています。また、確実性が低く時間もかかります。
真性包茎の治し方について詳しくは以下のリンク先をご覧ください。
【医師監修】真性包茎を治す3つの方法!それぞれの良い点・悪い点を解説
嵌頓包茎(カントン包茎)
嵌頓包茎(カントン包茎)とは、亀頭の出口である包皮輪(包皮口)が狭く、無理に亀頭を露出して剥いた包皮が元に戻らなくなる状態です。亀頭の一部しか露出されない状態もあります。
亀頭の下の部分が狭い包皮輪に締め付けられて大きく腫れ上がって激しい痛みを感じたり、場合によっては亀頭が鬱血して壊死することもあります。
原因
包皮輪(包皮口)が狭い「包皮輪狭窄(ほうひりんきょうさく)」が原因です。包皮の穴が亀頭のサイズに対して狭いと感じたら、無理に剥かないようにして下さい。
リスクとデメリット
最も注意したい点は、締め付けによって血流が悪くなり、亀頭が鬱血して壊死してしまうことです。その他、恥垢が溜まり不潔な状態となり、悪臭の原因となることもあります。
また、セックスの際の早漏だけでなく、挿入中に不意に剥けてしまい、痛みが出たり包皮が元に戻らなくなる場合があります。
治し方
基本的な治し方は真性包茎と同じです。保険が適用されますので、病院の泌尿器科でも治療が可能です。
包茎割合
3つの包茎の種類について説明しましたが、日本の包茎男性の割合がどうなっているのか、当サイトが独自で397人の包茎男性にアンケートを行いました。
結果は以下のとおりです。
仮性包茎 |
真性包茎 |
カントン(嵌頓)包茎 |
361人(90.9%) | 27人(6.8%) | 9人(2.3%) |
包茎男性の内、9割以上が仮性包茎という結果となりました。
日本の成人男性4,200万人の内約7割の3,000万人が包茎と言われていますが、ほとんどの男性が仮性包茎ということです。
その他のアンケート結果は以下のリンクをご覧ください。
包茎男性397人にアンケート!あなたのお悩み教えてください!
女性にも包茎がある?
包茎は男性特有のものと思われがちですが、女性にも包茎があります。「クリトリス(陰核)包茎」とも呼ばれるもので、クリトリスが包皮に覆われて隠れているいる状態です。
クリトリス包茎には以下のような問題点があります。
恥垢が溜まり臭いの原因となる
男性の包茎は包皮内部に恥垢が溜まり不衛生な状態となりますが、女性の包茎も同じです。
クリトリスを覆っている包皮には恥垢が溜まりやすい場所であり、デリケートゾーンの臭いの原因となります。
感度低下
クリトリスは女性の性感帯です。包皮が邪魔となり感度が低下してしまいます。
手術の必要性は高くない
男性の真性包茎や嵌頓包茎(カントン包茎)は必ず治療した方が良いものですが、女性の包茎は手術の必要性は高くありません。むしろ、女性の場合はクリトリス包茎が正常な状態とも言われてます。
清潔な状態が保ちやすい、性感が高くなるといったメリットはありますが、手術を受ける女性は多くありません。
まとめ
以上、包茎の種類について、それぞれの原因やリスク、治し方について説明しました。
包茎の種類によって治し方は異なります。まずは自分がどの種類の包茎なのかを把握し、治し方を検討すると良いでしょう。
石水朋哉
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