包茎手術の費用について~保険適用と自由診療の違い~
包茎手術を受けるうえで気になるのが「治療費」です。
包茎手術の費用ですが、
- 病院の泌尿器科
- 美容医療クリニック
上記2つのどちらで手術を受けるかによって大きく異なります。
ここでは、泌尿器科と美容医療クリニック、それぞれの費用の目安について説明します。
また、手術の費用負担を少なくする方法についても説明します。
包茎手術に保険は適用される?
健康保険が適用される治療の場合、治療費は3割負担となります。
では、包茎手術は保険適用となるかどうかですが、結論から言えば保険適用となるケースとならないケースがあります。
保険適用となる包茎手術
保険適用となるケースですが、健康上のリスクがある包茎であれば保険適用での手術が受けられます。
健康上のリスクがあると言われている包茎の種類は以下の2つです。
- 真性包茎
- 嵌頓包茎(カントン包茎)
真性包茎は自分で包皮を剥いて亀頭を露出することが出来ず、包皮内部を洗うことができません。そのため恥垢や雑菌が溜まってしまい。様々な病気のリスクがあります。
嵌頓包茎(カントン包茎)は、包皮輪(包皮口)が狭いペニスを無理やり剥いて元に戻らなくなった状態です。締め付けによって血流が悪くなり、亀頭が鬱血して壊死してしまう場合もあります。
仮性包茎は自分で包皮を剥いて亀頭を露出し、清潔な状態を保つことができるため、健康上のリスクはありません。よって保険適用外となります。
包茎の種類やリスクについて、詳しくは以下のリンク先をご覧ください。
【医師監修】包茎の種類は3タイプ。タイプ別の原因とリスク、治し方
保険適用の手術は泌尿器科のみ
保険適用で包茎手術が受けられるのは、対応している泌尿器科病院のみとなります。
美容医療クリニックでの手術は保険適用外となり、治療費は全額自己負担となります。
また、泌尿器科病院であっても「包茎手術はすべて自由診療扱い」としているところもありますので、診察を受ける前に電話等で「保険適用での包茎手術に対応しているか」と確認した方が良いでしょう。
保険適用での包茎手術について、詳しくは以下のリンク先をご覧ください。
泌尿器科での包茎手術費用
ここでは、泌尿器科で包茎手術を受けた場合の費用について説明します。
まず、泌尿器科での包茎手術には「環状切開術」と「背面切開術」の2種類の術式があり、それぞれの診療報酬は以下のとおりです。
- 環状切開術・・・2,040点
- 背面切開術・・・740点
上記の診療報酬に、診察料(初診料・再診料)と薬の処方料が加わった金額が、手術費用の総額となります。
泌尿器科での包茎手術費用の総額(自己負担額)はおよそ4万円前後です。
美容医療クリニックでの手術費用
続いて、美容医療クリニックでの包茎手術の費用について説明します。
美容医療クリニックとは
美容医療とは、病気やケガの治療ではなく、顔や体を美しく改善する治療を行う医療サービスです。代表的なものとしては「二重まぶたの整形手術」「バストを大きくする豊胸手術」「脱毛」などが挙げられます。
女性向けのサービスというイメージが強いかもしれませんが、男性向けの美容医療サービスの一つとして「包茎手術」があります。
包茎手術を行っている美容医療サービスとしては、「上野クリニック」や「ABCクリニック」といった、男性専門のクリニックがあります。
保険適用外の自由診療
美容医療クリニックでの治療には保険は適用されません。治療費は全額自己負担となります。
また、泌尿器科による保険適用の手術費用が「診療報酬」で決められているのに対し、自由診療である美容医療クリニックでの包茎手術費用はクリニック側で自由に決めることができます。
そのため、「A病院では5万円」の手術が「B病院では30万円」ということも起こりえます。
包茎の種類によって費用が異なる
包茎には以下3つの種類があります。
- 仮性包茎
- 真性包茎
- 嵌頓包茎(カントン包茎)
この中で、「真性包茎」「嵌頓包茎(カントン包茎)」は「仮性包茎」よりも費用が高くなります。高くなる理由ですが、手術に手間と時間がかかるためです。
仮性包茎はシンプルに余剰包皮を切除して縫合すればよいだけですが、真性包茎や嵌頓包茎(カントン包茎)の場合、包皮と亀頭の癒着を剥がしたり、包皮口(包皮輪)が狭くなった状態を広げるといった処置も必要となります。
どのくらい高くなるかですが、仮性包茎の手術費用から追加で10万円程度を目安に考えておくと良いでしょう。
なお、真性包茎や嵌頓包茎(カントン包茎)の基本手術費用が一律になっているクリニックもあれば、基本手術費用は仮性包茎と同じだが、別途「癒着剥離費用」「絞扼切除費用」といったものが追加で必要となるクリニックもあります。
基本手術の費用(切る手術)
一般的な包茎手術は余剰包皮をメスで切除し、皮余りを解消して亀頭を露出するというものです。いわゆる「切る手術」と呼ばれるものです。
切る手術ですが、主に以下3つの術式があります。
- 環状切開術
- 背面切開術
- 根部切除法(バックカット法)
それぞれの術式について、概要と費用を説明します。
環状切開術
泌尿器科でも行われている最も一般的な術式です。余剰包皮をぐるっとリング状に切除し、創面を縫合します。
手術費用ですが、前述したとおり自由診療のためクリニックによって費用が異なりますが、目安としては5万円~10万円です。
ただし、この手術はツートンカラーの手術跡が目立つ術式です。この手術を基本とし、手術跡が目立たない美容治療を追加でお願いするというのが、美容医療クリニックでの包茎手術です。
背面切開術
包皮の先端を縦に切除し、横に縫合する術式です。環状切開術に比べて切除する範囲が狭く、簡単な手術で術後の回復も早いというメリットがあります。また手術費用も安いです。
ただし、この方法は包茎の状態を改善するものではありません。自分で剥ける仮性包茎の状態にすることを目的とした術式です。包茎そのものを解消したいのであれば環状切開術での手術を受けましょう。
なお、美容医療クリニックで手術を受ける人は包茎を根本的に治療したい人が多いことから、採用しているクリニックは少ないです。
根部切除法(バックカット法)
環状切開術や亀頭直下埋没法では陰茎の先端部分の余剰包皮を切除しますが、根部切除法(バックカット法)では陰茎の根本部分の余剰包皮を切除します。
そうすることで手術跡が陰毛に隠れて目立ちにくくなります。
ただし、環状切開よりも回復に時間がかかるというデメリットがあります。
手術費用の目安は環状切開と同じ5万円~10万円です。
オプション治療の費用
美容医療クリニックと泌尿器科病気の包茎手術の最も大きな違いは、「美容医療サービスの有無」です。
泌尿器科病院の手術は健康上のリスクを取り除く治療であり、見た目への配慮はありません。その結果ツートンカラーの手術跡や、自然に剥けたペニスにはない縫合の跡などを気にする人がいます。
美容医療クリニックでは手術跡が極力目立たない方法で手術を行い、自然な仕上がりを実現してくれます。
ここでは、美容医療クリニックが行っているオプション治療について、どんな治療なのかと費用について説明します。
亀頭直下埋没法
手術跡を目立たないようにするための方法として、ほとんどの美容医療クリニックが採用している治療方法です。
基本は環状切開術ですが、違いは縫合箇所です。泌尿器科では亀頭から2~3cmしたの部分で縫合をするためツートンカラーが目立ってしまいますが、亀頭直下埋没法では亀頭の真下数ミリの位置で縫合を行います。
それによって、勃起していない時は包皮に隠れて手術跡が見えないようになり、勃起時も亀頭の陰に隠れて目立たないようになります。
費用ですが、基本手術(環状切開等)に10万円~15万円程度加算され、合計で15万円~25万円程度になります。
亀頭直下埋没法について詳しくは、以下のリンク先をご覧ください。
癒着剥離(ゆちゃくはくり)
癒着剥離とは、真性包茎のペニスで包皮と亀頭の癒着(くっついている状態)を剥がす治療です。癒着したままでは包皮を剥くことが出来ず、包茎手術は行えません。
追加費用として10万円~20万円程度が必要となります。
ただし、包皮と亀頭の癒着は半年程度の時間をかければ自分で解消することが出来る場合があります。
詳しくは以下のリンク先をご覧ください。
【医師監修】真性包茎を治す3つの方法!それぞれの良い点・悪い点を解説
絞扼切除(こうやくせつじょ)
絞扼切除とは、包皮口(包皮輪)が狭い状態を切除によって解消する治療です。包皮口が狭い場合、手術後に包皮を剥いたとしても陰茎を締め付けてしまい、痛み等の原因となります。絞扼切除を行うことでそういった問題が解消されます。
追加費用として10万円~20万円程度が必要になります。
ただし、包皮口を自分で広げる方法として、「キトー君」などの器具を使う方法もあります。器具の価格は1万円程度ですので、クリニックで治療を受けるよりも安上がりです。
キトー君について詳しくは、以下のリンク先をご覧ください。
成功率99%は本当?!キトー君の効果と使い方を徹底レビュー!
包皮小帯温存(ほうひしょうたいおんぞん)
包皮小帯とは、陰茎の腹の部分、尿動口の下にあるヒダの事を言います。一般的には「裏スジ」と言われます。
包皮小帯温存治療とは、余剰包皮を切除する際、包皮小帯を避けてVの字の形に切除する治療です。
より自然な手術跡となる他、性感帯でもあるので感度低下を避けられるメリットがあります。
追加費用として15万円~25万円程度が必要になります。
包皮小帯について詳しくは以下のリンク先をご覧ください。
【医師監修】包茎手術では包皮小帯は切除されるのか?形成手術は必要なのか
他院修正再手術
他院修正再手術とは、例えば泌尿器科で手術を受けたがツートンカラーが気になる、といった場合など、手術跡が目立たないように行う再手術です。
手術費用はペニスの状態によって大きく異なりますが、10万円~30万円程度と考えておくと良いでしょう。
基本の手術費用(切らない手術)
包茎手術には切らない手術という方法もあります。文字通り、メスを使って余剰包皮を切ることなく包茎を治す手術です。
手術跡が残らず、自然に剥けたペニスと同じ見た目になります。また、切らないことで手術後の回復が早く、術後数日で性行為も可能になるメリットがあります。
その一方、切る手術と比べると確実に包茎が治るわけではありません。勃起していない状態で亀頭が半分程度露出しているような軽度の仮性包茎でなければ治る可能性は低いでしょう。
当然、真性包茎や嵌頓包茎(カントン包茎)の方は切らない手術を受けることはできません。
切らない包茎手術には以下3つの術式があります。
- ナチュラルピーリング法
- 亀頭増大術
- 長茎術
それぞれの術式について、概要と費用を説明します。
ナチュラルピーリング法
包皮を剥いて亀頭を露出した状態で、美容医療用の糸を使って包皮を陰茎の根本で固定する方法です。
簡単な手術なので費用が安く、縫合跡が残らないメリットがあります。
しかし、軽度の仮性包茎でなければ改善は期待できず、また時間の経過によって糸が切れ、再び包茎になってしまうことがあります。
費用は3万円~5万円程度です。
亀頭増大術
亀頭にヒアルロン酸など人体に害のないフィラー剤を注入して大きくし、包皮が亀頭に被らないようストッパーの役割とする方法です。
縫合跡が残らず、術後の回復も早い。さらには亀頭が大きくなるといったメリットがあります。
しかし、フィラー剤はとても高価です。注入量によっては100万円以上の費用が必要になります。
また、フィラー剤は一定期間を経過すると体内に吸収され、増大効果もなくります。そうなれば再びフィラー剤を注入する必要があります。
そこで最近では、体内に吸収されにくい高分子ヒアルロン酸等を注入する人が増えています。高価は半永久的に続きますが、1ccあたりの費用が20万円近くするなどとても高いです。
フィラー剤の価格は定着期間が長いものほど高くなります。以下は価格の目安です。
フィラー剤 | 注入料金 |
短期定着タイプ | ¥50,000~¥100,000 |
中期定着タイプ | ¥75,000~¥150,000 |
長期定着タイプ | ¥100,000~¥200,000 |
※価格は1ccあたりの価格の目安です
亀頭増大について、詳しくは以下のリンク先をご覧ください。
長茎術
長茎術とは、体内に埋没している陰茎を引っ張り出して固定し、陰茎を2cm~8cm程度長くする治療です。余剰包皮分よりも陰茎を長くすることで包茎を改善します。
しかし、長茎術で長くなるのは勃起していない状態の陰茎であり、勃起時の状態が長くなることは期待しないほうが良いでしょう。
手術前の診察でどの程度長くなるかは判断することができますので、確実に包茎が解消できるくらい長くなるのであれば治療を受けても良いかもしれません。
長茎術にはいくつかの方法がありますが、費用は15万円~30万円程度です。
長茎術について、詳しくは以下のリンク先をご覧ください。
手術以外に必要な費用
ここでは、美容医療クリニックで包茎手術を受ける際、手術以外に必要な費用について説明します。
ただし、美容医療クリニックの場合、これらの費用もすべて込みとなっていることが多いです。
初診料(カウンセリング)
初診料は多くのクリニックが無料となっています。「無料カウンセリング」という形で気軽に相談しやすくなっています。
ただし、中には「カウンセリングは無料だが、医師による診察は有料」としているクリニックもあります。事前に電話やメール等で確認しておきましょう。
再診料(アフターケア)
再診料やアフターケアも無料のクリニックが多いです。
大手の上野クリニックなど、治療を受けた人向けに24時間対応のコールセンターを開設しているクリニックもあります。
不安に感じることがあればいつでも相談できるのは心強いで
す。
麻酔
包茎手術には一般的に局所麻酔が採用されています。局所麻酔とは、陰茎のみを麻痺させるので意識はあります。
ただし、麻酔薬を注射器で注入する際に多少の痛みがあります。
どうしても痛みに抵抗がある場合、「笑気麻酔」や「静脈麻酔」といった方法もありますが、その場合は追加費用が発生することが一般的です。
麻酔について、詳しくは以下のリンク先をご覧ください。
薬の処方費用
包茎手術後は、包帯や患部に塗る軟こう、痛み止めといったものが処方されます。これらの費用もすべて治療費に含まれていることが一般的です。
男性器の機能向上治療について
美容医療クリニックでは、包茎手術を希望する患者に対し、男性器の機能向上治療をすすめる場合があります。
機能向上治療には主に以下のようなものがあります。
- 早漏防止
- 陰茎増大
- 男性器改造(シリコンボール、リングの挿入)
見た目が逞しくなったり、性行為の際に女性に大きな快感が与えられるようになる治療です。
これらの治療を受けなくとも包茎手術を受ければ包茎は改善されますので、不要であればハッキリと断りましょう。
料金トラブルに注意
美容医療クリニックで包茎手術を受けた男性から、国民生活センターに対して料金トラブルの相談が寄せられるケースがあります。
トラブルの内容としては、以下のようなものがあります。
【事例1】
広告では、7万円~10万円とのことだった。クリニックで10万円くらいの手術を受けたい旨を伝えたところ、安い手術だと汚い仕上がりになると言われ、高い手術方法を勧められ総額約80万円の契約で、即日手術となった。2週間経つが術後の傷口がぱっくり割れてしまい、また、引きつれ感があり、陰茎部分が何も感じなくなってしまった。【事例2】
ネット広告を見て出向いた。医師とは思えない男性から説明を受け、手術台に上がらされ、医師から手術費用が65万円と言われた。また、「ヒアルロン酸を注射しないと包茎に戻る。15万円のものは一生残る」と言われ、約200万円の契約となった。痛みが引かず、泌尿器科を受診したら、一部が壊死していると言われた。
残念ながら、包茎手術を行っている一部の美容医療クリニックには、このような悪徳クリニックが存在します。
料金トラブルに巻き込まれないために
料金トラブルに巻き込まれないために行ってほしい対応は以下の2点です。
- 複数のクリニックでカウンセリングを受け、治療費を比較する
- 手術を申し込む前に費用の総額を書面で出してもらい、追加費用がないことを確認する
筆者は複数のクリニックでカウンセリングを受けましたが、手術前に費用を明確にに提示してくれないクリニックもありました。そういったクリニックに限って診察が短時間でいい加減な印象がありました。
医師による診察にしっかり時間をかけ、それを元に適切な費用の見積もりを出してくれるクリニックならば料金トラブルの心配はないでしょう。
手術費用を安くするコツ
複数のクリニックで費用の比較をする
前述もしましたが、複数のクリニックでカウンセリングを受け、費用の見積もりをもらって比較しましょう。
クリニックのカウンセリングでは、
- 他のクリニックにも相談しているか
- 他のクリニックの見積もりはいくらだったか
といったことを聞かれることがあります。自由診療であるため、クリニックによっては値引きの相談に応じてくれることもあります。
まとめ
以上、包茎手術の費用について説明しました。
かなり端折って言ってしまうと、
- 泌尿器科での保険適用手術なら約4万円
- 美容医療クリニックで見た目を良くするなら約20~30万円
というところです。
ただし、美容医療クリニックには様々なオプション治療があります。
見積もりの明細を見て、不明な治療については「どんな効果があるのか?」「本当に自分に必要な治療か」を納得いくまで質問するようにしましょう。
そして、不要な手術は外してもらい、適正価格で手術を受けるようにしましょう。
石水朋哉
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